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オランダの教育に学ぶ
『イエナプラン教育』
~現役小学校教諭が感じた日本の教育の未来~

2014年11月30日。
墨田区八広地域プラザ「吾嬬(あずま)の里」で行われた「第2回すみだ子育てメッセ2014 このまちにはあいがある」。
このイベントでは墨田区内で活動する子育て支援団体などが集まり、ステージでのパフォーマンスやワークショップ、マタニティライフや育児に関する情報、親子で楽しめる料理教室など、数々の催しが行われ、たくさんの親子連れで賑わっていました。

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そのイベントの一つに、「子育てを楽しむ座談会」として、オランダの『イエナプラン教育』についての紹介がありました。実はオランダは子どもの幸福度調査で世界一を誇っており、そこには日本に今にでも必要な数々の教育ビジョンがあるのです。

■イエナプラン教育とは?

 ドイツのイエナ大学の教授であったペーター・ペーターセンが行った教育で、オランダで発展した教育です。現在日本の学校で行われている画一一斉授業のような場所ではなく『様々な社会階層や異なる宗教の子ども達を差別なく受け入れ、知識やスキルを身につけるのではなく、将来社会に能動的に自立して参加するための幅広い能力を学ぶ場』として学校を位置づけました。
 つまり、イエナプラン教育とは日本の画一一斉授業とは正反対の教育です。学校は子どもの個性を潰してみんなが同じ行動する人間をつくる場でなく、子ども自身で得意なことや不得意なことに気づき自分らしく成長していく場と考えられています。

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そんなイエナプラン教育について講演を行っていたのは川崎知子さん。
川崎さんは現役の小学校教諭です。
日本の小学校教諭になってしばらくしてから、川崎さんは「クラスの中で子ども一人ひとりの個人差があるにも関わらず、みんなで同じことをするのはおかしい」と画一一斉授業に疑問を持ちました。
もともと留学経験のあった川崎さんは、シュタイナー教育やモンテッソーリ教育など、海外の「子ども達を尊重する教育」と、日本の教育が全く違うとものだと感じていました。
違和感を持ちながら教育現場の仕事を続け、自分の本当にやりたい教育を探すうちイエナプラン教育に出会いました。実はすでに40年以上も前からオランダで始められていた教育こそが、自分の求める『理想の教育』と確信。現在は、イエナプラン教育を広めるため、対話やワークショップを中心とした「イエナカフェ」を主催し活動を行っています。

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日本の教育は高度経済成長期の産業復興のため、教育の目的を個人ではなく、社会側に置く傾向を強くしました。全員を統率して同じものを、間違わずに作っていけば経済が成長し国が発展していく。当時はそれで良かったかもしれませんが、現在ではどうでしょう?
イエナプラン教育では、子ども達の思考力や想像力、そして世界で今何が起きているか?それに対応するにはどんなことをしなくてはいけないのか?ということを4歳の頃から学び始めます。自分たちで問題を探し、答えが見つかると、またすぐにもっとたくさんの問いを考える。そんな「学ぶこと自体を学び続ける」。そんな能動的な学習を可能にしているのが、イエナプラン教育なのです。

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教育現場で自ら授業を行ううち、一人ひとりの子どもが全く尊重されず、個人差がどんどん開いてしまうところに、特に大きな問題意識を持ち、オランダのイエナプラン教育の存在を伝えることで、日本の教育の何が問題なのか、そしてどうしていけば良いかを色々な方々と共有したいと語る川崎さん。こうした問題は、特に教員という職業に就いている方には、共感できる人もたくさんいるのではないでしょうか。そんな問題を和らげたり、解決したり、次にどうすれば良いかのと、考えるヒントがイエナプラン教育にはあると川崎さんは言います。将来的には、オランダに行って教員の勉強や、当たり前のようにイエナプラン教育を受けられる、公立の小学校作りにも挑戦していきたいとも語ってくれました。

川崎さんのように、教員だけではなく保護者や子どもたち自身も「日本の教育がどうあるべきか?」ということや「何のために何を学ぶの?」ということを、感覚だけではなく、具体的に考えることが大事なことだと思います。

小さなところから、実に大きな問題提起をしている小学校の先生でした。

川崎さんのインタビュー

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