慶應義塾大学SFC AO入試対策 第6回
AO入試も精神的にコミットメントできるかどうかで最後は合否が決まる
はじめに
「慶應クラス」という慶應義塾大学進学専門塾(慶應大学のAO入試対策を含む)を主催している塾長の牛山です。
本日は、受験勉強をほとんどしなくても慶應大学に合格できる入試枠である、慶應SFCの「AO入試対策」の合格の秘訣をご紹介していきます。今回のテーマはコミットメントですが、このコミットメントとは、「(責任ある)約束」という意味です。ここでは、「(自分に対する)決断」というニュアンスで読んでいただければ幸いです。
深刻な入試の破壊行為である代筆がまかり通っている
慶應SFCのAO入試では、書類を代筆してしまうような塾も存在するようです。このような塾にかかれば、「それらしい雰囲気」を醸し出した出願書類が量産されてしまうでしょう。ここで述べる「それらしい雰囲気」とは、流行り言葉を散りばめ、特定の構文に文章を落とし込み、少しいかめしく見せることを狙いとした文章から、醸し出される雰囲気のことです。特徴は、思考とアウトラインがセットになっており、最初に原因を書いて、次に対策案を書くなどの特定の構文がワンパターンとなっていることです。慶應大学側は、代筆された本人が書いていない書面を、「本人が書いたもの」として、真剣に審査するわけですから、ある意味では、騙しの行為が行われていると言えます。小論文試験は、試験会場があるので、このようなことにはなりませんが、AO入試の場合は、非常に深刻だと言えるでしょう。ただし、このような代筆の方が受かりやすいのかと言えば、そうでもありません。その理由はいくつかあります。私が見る限り、代筆されている文章のレベルが非常に低いこと、代筆しているので、情熱が全く感じられない内容になっていること、訴求軸がずれており、ロボットが書いたような文章になっていることが原因です。
合格へのコミットメントではなく、自分の情熱へのコミットメント
私の経験から言えることは、多くの不合格になった受験生が、合格に対してコミットメントしてがんばっているのに対して、合格者は、自分の情熱へのコミットメントがあります。
つまり、慶應SFCに合格できるのであればなんでもいいと考えている受験生は受かりにくいと言えます。一方で、自分の情熱に対して、コミットメントがある受験生は、受かりやすいと言えます。

図:受かりやすさ
自分の情熱へコミットメントしている受験生は、自由に物事を考えています。
ある非常に優秀な受験生がAO入試で不合格になった時のことです。スポーツでも素晴らしい実績があり、家柄もよく、学業成績もよく、面接も完璧、出身校も一流の進学校であるにもかかわらず、その受験生は不合格になってしまいました。あとでよくよく話を聞いてみると、「本当は書類に書いたことなんですけど、やりたいと思ってなかったんですよね。」とその受験生は言いました。つまり、試験を突破することについてだけ、コミットメントしていたということです。言い換えれば、入試のために取り繕った嘘の内容を書き、企画を作っていたということです。多くの人は優秀であれば受かると考えています。しかし、現実には、自分がやりたいことに対して、どれだけ決断があるかが重要です。SFCのAO入試においては、その評価軸が大きなポイントになっています。
志望理由書・学習計画・自己アピールを特定の構文にはめる愚
慶應SFCの対策と称して、なんでも原因を書いて対策案を書くというワンパターンな代筆を行っている塾があるようです。
このような代筆行為の背景にあるのは、「志望理由の情熱なし」「学習計画なし」「自己アピールなし」ということです。
それでも、時には、受験をすり抜けてしまうこともあるのでしょう。AO入試の趣旨から言えば、深刻な事態であると言えます。
志望理由書を特定のアウトラインのフォーマットに落とし込むのは、文章技術として悪いことではありません。そうではなく、「自分の思考」を構文にはめ、自分の頭で考えることなく、最初に原因を書いて、対策案を書けば受かるというような、短絡的な思考を書面に落とし込むと、情熱も計画も自己アピールも、すべてレベルが低いものになってしまいます。

図:構文とフォーマットの違い
情熱の次に合格にコミットメントする
「適切な指導」(本当に効果的な指導)がある時、本人にどれだけの情熱があり、合格のためにがんばることができるのかで合否は決まります。良い意味での「決断」が無い場合、どんな指導を受けても、ほとんど吸収することができません。また、踏ん張りもきかないので、中途半端なリサーチや、中途半端な改善になってしまいます。必ず合格するという強い決断と、自分が将来やりたいことを必ず実現してみせるという強い決断を持ってAO入試に挑みましょう。
まとめ
最後に本日のまとめを掲載します。
- それらしい雰囲気を醸し出すことに腐心しない。
- AOの代筆受験は受かりにくい。
- 自分の情熱に対してコミットメントすることが重要。
- 合格のためにどれだけ頑張る決断ができるかが要。
プロフィール
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牛山 恭範(うしやま・やすのり)
- 慶應義塾大学合格請負人
- スキルアップコンサルタント
- 専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
- 株式会社ディジシステム 代表取締役
- ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者
- 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者
慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。
技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。
自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。
より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。
現在東京工業大学大学院博士後期課程在学中。
慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。
著書
- 「慶應大学絶対合格法」
- 「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」
- 「小論文技術習得講義」
- 「小論文の教科書」
- 「自動記憶勉強法」
- 「~なぜ人は情報を集めて失敗するのか?~目標達成論」
- 「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
- 「慶應小論文合格バイブル」
- 「難関私大対策の急所」(以上共にエール出版社)
- 「機械的記憶法」(日本実業出版社)
- 「クラウド知的仕事術」(日本能率協会マネジメントセンター)
- 「速読暗記勉強法」(日本実業出版社)
- 「牛山慶應小論文7ステップ対策」
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