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第5回 慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策
「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

第5回
慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策

はじめに

 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』塾長の牛山です。本日は、「慶應大学にわが子を確実に合格させる合格法」シリーズの第5回として、『慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策』についてお話を致します。

慶應義塾大学が小論文を重視する理由

 慶應大学の文系では特に小論文が配点の多くを占めます。経済学部については、比較的配点が低くなっていますが、経済学部では自由英作文が出題され、ここで論理的に一貫性のある論述を求められます。従って、文系では、配点比率上、全体の約30~50%程度が、論文型のテストになっています。このような特異な入試体制をとっている大学はあまりありません。慶應大学は、徹底して論文で学生を採用するスタンスです。マークシートを用意すれば、一瞬で安価に生徒を選抜できます。それにも関わらず、手間暇をかけて慶應大学が論文試験を用意している理由は、本当に考える力がある学生を少しでも多く確保したいからではないかと考えられます。正規の学力も重要ですが、正規の学力だけでは推し量ることができない「考える力」を、論文試験は見やすい試験です。

「論文指導理論」が氾濫した結果大きな混乱が起こった

 論文試験の配点が高い以上、小論文の対策がうまくいけば、大変慶應大学は合格しやすくなります。ところが、日本における論文指導には、多くの理論が存在し、論文対策で混乱する学生が多いのが実情です。
 「小論文はこのように書きなさい」という書き方が氾濫しており、各理論それぞれが違う主張を展開している形になっています。さらに言えば、読解方法、読解理論や、思考方法、思考理論なども氾濫してしまいました。加えて、論文作法に関する認識も混乱しています。
ペンギン

 つまり、論文の書き方、論文を書く際の思考方法(理論)、読解方法(理論)、論文作法や論文テストに対する認識(理論)について、多様な見解が生まれ、流通しているのが現代における論文指導理論の混乱状態と言えます。
 指導理論が氾濫した背景には、模範解答を自分で作成せずに、小論文添削や小論文指導を行う塾が登場したこともあるでしょう。模範解答を代理作成してもらい、その解答例を配布し、小論文の授業を行う小論文講師もいます。当然自分で模範解答を作っていないので、どのように考えてどのように解くのかというステップが頭の中に無い状態で、解法理論だけが語られます。そして、添削や論文指導が行われます。小論文添削をする人と、授業をする人と、解答例を作る人がバラバラになっていれば、塾や予備校の経営効率は高まります。添削を安く実施することもできるでしょう。しかし、このようなことが繰り返されると、受講生徒のミスや過去問題に指導側は疎くなります。その結果、指導理論と模範解答もずれた形となります。こうした背景から、指導理論の統一が行われず、各塾が提唱する指導理論(小論文の解法理論)は年を追うごとに種類が増加し、指導理論が氾濫するようになったのです。数学や英語のような授業提供型の科目では起こりえない恐ろしい状況と言えるかもしれません。

なぜ一般論としての小論文対策では慶應大学に対応しにくいのか

・3つの背景要因

 慶應大学を受験する際に一般論としての小論文対策が有効に機能しにくい理由は大きく3つあります。(1)試験の機能性(2)テクニックの有効性(3)構文で考える対策の脆弱性です。

・理由1 「大学が用意する試験が機能しなくなる」

 1つ目の理由である試験の機能性とは、平易に述べれば、大学側が困るためです。
 「論文とはこのように書けばよいのである」という指導は、多くのケースで何ら根拠なく展開されることが多いものです。「過去の日本における小論文指導の状況」を振り返れば、小論文指導の流通は、多くのケースで受験を専門に扱う予備校や塾から始まりました。予備校の使命とは、生徒を確実に合格させることです。したがって少々テクニック的な方法であったとしても、生徒が相対的に評価される答案を作ることができるようになれば、予備校は、一定の使命を果たしたと言えるでしょう。このような経緯からいくつかのテクニックが編み出されました。それらのテクニックは、かつては一定程度有効に機能しました。その理由の1つは、論文とはあくまでも相対評価であり、絶対的評価ではないからです。他の生徒以上の力をつけることができれば、合格に至る場合、情報量が少ない受験生は不利になります。ゆえに予備校はその役割を果たすことができました。しかし、このような状況は、大学にとっては望ましいとは言い難いものです。仮に考える力が劣っている生徒がいたとして、その生徒の方がテクニックで合格してしまえば、何のために手間暇をかけて慶應大学は小論文試験を用意したのか分かりません。過去の問題を見る限りにおいては、受験テクニックに対して、大学側で様々な形で対策が練られている様子も伺えます。必然的に一定程度大学と対策を講じる予備校側のイタチごっことなります。

・理由2 「テクニックが点数を下げることが多い」

 2つ目の理由は、書き方についての受験テクニックの有効性です。この理由は平易に述べれば、今流行しているテクニックは多くのケースであまり有効に機能しないことが多いからです。代表的なものは二つあります。1つは、譲歩構文と呼ばれるものです。「確かに~しかし」と書くことで、相手に譲歩するテクニックは心理的に読み手の反発を防ぐ効果があります。譲歩構文は人気予備校講師が教えたために瞬く間に日本中に広がりました。しかし残念なことに、この書き方を使いこなせる学生は実質的に全体の1割程度しかおらず、多くのケースで論点がずれた答案になります。問題はテクニックを、単なるテクニックとして使ってしまっているところにあります。いわゆる中心命題と言われる自分の仮説と何ら論理的関係が無い点や、心理的に譲歩させる必要がない論点に言及し、とにかく「確かに~しかし」という構文にポコポコと文章を当てはめれば点数が上がると思ってしまう学生が増えました。当然構文にはめるだけで点数がアップするとは限りません。大切なことは内容であり、内容が不適切になれば、点数アップどころか、減点の対象となります。また、なぜこのようなテクニックが機能するのかという本質を理解する生徒がほとんどいません。本質は教えられていないのです。論理的説得性を高めるには、情緒的な説得力と、論理的な説得力の二つがあります。譲歩構文は情緒面の抵抗を少なくするのが主な役割です。論理的な説得力を高めるために、論文の論理構造をスケルトンで理解する人は少なく、反論を行う際にも、論理構造に配慮された反論を展開出来る人は少ないのです。このような状況は本来身につけるべき力を身に付ける前に、お手軽なテクニックだけがひとり歩きした状態と言えるでしょう。
 このような「受験テクニック先行の現象」と似た現象は他にもあります。二つ目の有効に機能しにくいテクニックは「問題解決型の構文」です。問題点を整理し、原因等に言及し、原因を明らかにした後、解決策を提案するという構文を推奨する指導があります。このような論文指導が抱える問題は大きく4つあります。第一に、そもそも求められていないということです。試験当日に偶然「問題解決型の論述」を展開することを求められた場合には、この構文を適用できますが、設問で求められていないにも関わらず、使用すれば、点数が下がってしまいます。求められてもいないのに前提を整理し始め、原因について持論を連発し、解決策まで述べてしまうと、評価が下がります。要求されていない余事記載になってしまうからです。「設問に答えていなければ、0点だと思います。」とは、私が一緒に仕事をさせていただいている国立大学の板橋教授の言葉です。構文に当てはめる指導により、設問の要求を無視する受験生が増えました。解決策ではなく、物事の妥当性を述べることを求められているのに、解決策を述べてしまうのです。第二の問題点は、当てはまる確率が少ないことです。このような問題解決型の論文構成がピッタリと当てはまる問題は、慶應SFCと呼ばれる学部ですら、約50%程度です。また、他の(文)(法)(経)等に至っては、およそ10%前後と言ってもいいでしょう。過去10年間の問題の傾向から言えることです。第三の問題点は、原因は単なる仮説にすぎないことです。通常私達を取り巻く社会問題の原因は数十~細かいものまで探せば、数百あります。従って、「原因はこれだ!」と鬼の首を取ったように述べることがそもそもナンセンスです。原因が何かは誰にも分からないからです。主因が何なのかは分かりません。通常一般的な研究活動では、一次情報を研究者が取得し、その情報を数値化します。その数値化した情報を元に、場合によっては統計学の手法等で、確率的な意味付けを試みます。表面的な数字には意味がありませんが、相関係数や、各種検定作業の結果となる数値には、論理的な意味付けが一定程度可能だからです。慎重に論理的な意味付けを試みる必要があるでしょう。ところが、論文試験ではこのような作業は当然できません。ゆえに、原因を無理に書こうとすれば、自分が聞きかじっている程度の知識をそこに書き込み、「これが原因だ」と述べる形になる答案がほとんどです。これは、仮説に過ぎません。仮説に基づいて問題を定義し、その仮説を元にして対策案を提案すれば、「自分が思っていること」を根拠として「思っていること」を述べているだけです。これは論文ではなく、作文に近いものです。第四の問題点は、論理の一貫性が無くなることです。勘や憶測、聞きかじりの知識を散りばめて持論を述べた後に、さらに自分の持論を展開すれば、支離滅裂で論理に一貫性が無くなります。

・理由3「構文至上主義で本番に対応できない人が多い」

 一般論としての小論文対策が有効に機能しにくい理由の3つ目は、構文で考える脆弱性です。小論文の書き方を構文として学んだ人、書き方のアプローチとして学んだ人は、変則的な問題に対応できません。ほとんどの小論文指導が、何らかの書き方やテクニックを構文、アプローチとして教えるため、本質を教えられていない生徒はわけも分からず答案を設計するようになりがちです。このような不幸を私はたくさん見てきました。

重要な大前提

 ここで重要な前提をお話しなければなりません。ここまでに私が述べたことには、例外もあります。その理由は、大学は自由に問題を設計し、評価することが可能だからです。どのような問題を出すのも大学の自由です。またその際の評価方法すら、大学側の自由です。ゆえに、一つ一つの問題で、出題意図を把握し、求められた能力を見せる必要があります。
 私がここでご紹介した内容は、イタチごっこの対策や、表面的な対策の危険性です。小論文は他の一般科目と違い、絶対的な答えがないため、やみくもに指導を受けても点数が上がりません。
 それでは、ここまでにご紹介してきた構文やアプローチは間違いなのでしょうか。私は間違いとまでは言い切りません。場合によっては出題されるケース、適合するケースもあるからです。従って、使いこなすことができるようになることが大切です。

慶應大学の小論文に関して「不合格になりやすいよくある誤解」

・重要な誤解を避ければ、大筋でうまくいく

 ここで、不合格になりやすい、よくある誤解をご紹介します。ここにご紹介するのは、代表的な誤解です。細かい点を挙げればきりがありませんので、知っておくべき、代表的な10個の誤解をご紹介します。

・誤解1 「知識補充の対策をすれば十分だ

 ネタ中心の小論文指導は多いのですが、小論文試験はネタとしての知識量を試す試験ではありません。論文にデータを書くこと自体が悪いわけではありません。ネタとして知識を使う癖がついた人は、往々にして論点がずれても、ネタを無理に使い、点数を落とす傾向にあります。

・誤解2 「型にはめて書けばよい」

 本日ご紹介してきたように、型にはめて文章を設計するのは大変危険です。問われた内容からずれやすいためです。あくまでも設計思想としての文章構成を学ぶ必要があります。

・誤解3 「結論から書いてはいけない」

 文学部出身の講師の中には、結論から書く文章を嫌う人もいます。しかし、論文は一般的に結論から書く慣例があります。

・誤解4「かなり高く評価される構文が存在する」

 構文で評価が決まるのであれば、試験の機能性が著しく失われてしまいます。従って考えにくいことです。例外はあります。正確には型とは考えない方がいいのですが、私が小論文の世界に持ち込んだ(2012年『慶應小論文合格BIBLE』)ピラミッドストラクチャーはテクニックというよりも、論理の原理原則にかなった形であるため、学部によっては評価を得やすくなる可能性はあります。

・誤解5「練習しても意味が無い」

 小論文は練習で点数が伸びます。私の塾の生徒は、練習後、全国模試で10位位内に続々と入っています。

・誤解6「誰が見ても同じ」

 小論文は添削する人によって見る所が全く違います。小論文添削をする人は、文章の設計思想や論理の設計思想を理解できている必要があります。また、発想や思考回路をアドバイスできる必要があります。
 各予備校がオンラインで解答例を配布していますが、この解答例を真似しても、受験生は考えることができません。受験生ができない点を理解した上で、添削者は、できるように導く必要があります。
 従って、誰が見るかが添削の全てと言っても過言ではありません。思考回路や論述作法を不適切に指導された人は逆に点数が下がることも往々にしてあります。

・誤解7「読書は不要だ」

 確かに、知識が仮に無くとも、合格することはあります。私も「考える力を強化する論文指導」でこれまで結果を出してきました。ゆえに、「今まで漫画のワンピースしか読んだことがない」という子でも、慶應大学に合格していただきました。しかし、だからといって読書が不要ということにはなりません。例外的なケースを一般化することはできないからです。読書は思考力、知見、文章力をバランスよく鍛えます。ラッキー合格を狙うのでなければ、読書は有効です。本稿でご紹介する「受験生が小論文を書くことができない根本的な問題」を読書は解決しやすいと言えるでしょう。(後に詳述します。)

・誤解8 「テクニックはダメだ」

 ここまでにご紹介したように、書き方の型をテクニックとして利用することは危険です。一方で、読解テクニックや思考テクニックは比較的有効に機能します。各種研究でも読解テクニックの有効性は確認されています。テクニックのレベルではなく、技術のレベルまで高めることが大切です。

・誤解9 「慶應大学の・・・とついていれば、それが専門特化した対策だ」

 教育業界には、多くの専用コースが存在します。早慶コースや、慶應の・・・というサービスは人気があり、よく作られがちです。
 問題はその中身です。専用のコースであれば、合格しやすいとは限りません。経営学でいうところの、いわゆる「差別化」という手法は、健全な営業努力の範疇ではあります。名前をつけた瞬間に、数分で専門特化したように見えるサービスはできてしまいます。しかし、本当に専門特化していれば、合格しやすいのでしょうか。例えば仮に「慶應大学の○○単語」という単語集や、「慶應大学の英○○文」など、いかにもというものがあったとして、内容は単に慶應大学に出題された英文を掲載しているだけということがほとんどです。私は多くの学習支援をする中で、次のようなことに気づきました。不思議と行政書士専用コースや、○○専用講座という特定の検定試験や資格試験対策を行っている人ほど不合格になっているのです。なぜでしょうか。その理由は、何が重要対策かを自分で考えず、名前をつけている機関に判断を丸投げしているからです。
 一方で、本日ご紹介している内容をご確認ください。すべて事実や原則に基づいて解説をしています。事実に基づきロジカルに判断するのと、何も考えずに盲信するのと、どちらがいいでしょうか。言うまでもありません。事実に基づき判断する方がいいでしょう。その上で、総合的に考えることが大切です。お子様が小論文の試験で考えることができなかったとします。このようなときによくありがちなのは、(知識が不足しているから書けなかったのだ)と考え、ネタ本を読んでしまう対策です。もともと読むのが遅く、時間切れになっているだけのケースや、適切に考えられていないケース、考え方に癖があるだけというケースも多いのです。部分最適ではなく、全体最適で考えることが大切です。
 次の図はイシューツリーと呼ばれる図です。部分最適な考え方をしないために、MBAホルダーがよく使う思考ツールです。このような分析に関して、世界一と言われるコンサルティングファームであるマッキンゼー出身が教えている大学院で私はMBAを取得しました。細かい点を挙げればきりがないため、代表的なポイントを記載しています。

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 このように、小論文が書けない原因はたくさんあります。大学の過去問題を解いても「慣れの分」しか点数は上がりません。根本的な原因が解決しなければ、いつまでたっても、できるようにはなりません。もう一度図を見てみましょう。例えば時間切れで不合格になったお子様は、速読力が必要です。資料の分析がうまくできなかったのであれば、資料対策が必要です。思い付かないのであれば、発想力を鍛え、論理思考を磨く必要があります。
 それぞれの項目を技術と捉え、技術を磨き上げていけば、高いレベルで答案を作ることができるようになります。慶應の解答例を真似しても、お子様の問題は解決しません。問題を発生させているポイントを解決するように、技術を磨くことが大切です。そうすれば、何が出ても対応できます。

・誤解10 「過去問題をやれば合格できる」

 国内のテニスの大会で勝てない人が、オリンピック用のテニスの練習をしても国際試合で勝てる道理はありません。国内ですら勝てない人は当然国際試合では勝てません。小論文も全く同じです。過去問題は応用問題であり、基本の力が無ければ良いものは書けません。実力を向上させることが大切です。論理思考やゼロベース思考、クリエイティブな思考、統合的思考、分析的思考など、各力を高めることが大切です。

表面的な対策が、不合格の根本的な問題点になっている

 ここまでで、10個の「不合格になりやすいよくある誤解」をご紹介致しました。これらの勘違いに共通することは何でしょうか。全てに共通するのは、『表面的な対策』であることです。多くの人が慶應大学の小論文試験で高い点数を取ることができない根本的な問題点は、一言化すれば、手っ取り早い表面的な対策に終始してしまうからと言えます。
 「書けない」「合格できない」という表面に表れている問題に対策を施しても、本質的、根本的な問題に対処できていなければ何度でも、問題は起こり続けます。もう一度イシューツリーを見てみましょう。なぜ問題は起こっていたのでしょうか。
 根の問題を解決することが大切です。表面的な問題点(書けないこと)に眼を奪われないようにしましょう。このような思考回路そのものが慶應SFCでは特に頻出です。
 小論文試験で高い点数を多くの人が取ることをできない本質的な問題点とは、分析力(時間が足りない問題、読むことができない問題、理解できない問題)、思考力(思いつかない、考えることができない問題)、論述力(書くことができない問題)の3点が不足していることにあります。「問題を発生させているより根本的な問題点に対処すること」で、慶應大学の小論文試験で高い点数を得やすくなります。以下に、慶應大学の小論文対策として有効な対策をご紹介します。

3つの力を高めることで慶應大学に合格しやすくなる

・根本的な対策

 慶應大学の小論文試験で高い点数を取るための教育法は、分析力、思考力、論述力を高める教育です。これらの3つの力を高めるためには、大きく3つの対策があります。以下の図をご覧ください。

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対策1 「分析力の向上」

 第一の分析力を高める対策は、『読書力・学習力の向上』です。読書は小論文の力を引き上げる王道です。読書は、文章力、思考力、読解力、表現力、発想力、構成力、理解力などをバランスよく引き上げ、知識量を引き上げます。知見が広がれば、考えるための土台となる足場ができます。ゆえに、よりいっそう確かな思考ができるようになります。(上記の図をご確認ください。)
 いくら読書をしても、ザルで水をすくうようなことをしていては意味がありません。「全部忘れてしまった」、「全部読みっぱなしだった」というのでは、大変もったいないと言わざるを得ません。そこで、効率的かつ、効果的に情報を記録する必要があります。読書ノートとしてオススメしたいソフトがあります。
 「構造ノート」「構造議論チャート」と呼ばれるソフトウェアです。このソフトは、情報の論理構造をスケルトン状にして記録していくことができます。したがって、小論文試験で点数を取るための論理思考の訓練にうってつけです。無料で公開していますので、誰でも使うことができます。

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 これらの無料ソフトには次のような特徴とメリットがあります。

  1. 「30日間復習機能」・・・・学習した内容を忘れにくい。
  2. 「1ページ1テーマ主義で記録」・・・学習を高速化しやすい。
  3. 「クラウドで記録」・・・・いつでもどこで復習可能。
  4. 「構造で図式化機能」・・・短時間で仕組みを復習可能。
  5. 「文章構造機能」・・・・文章を短時間で復習可能。
  6. 「論理構造機能」・・・物事の論理構造をすぐに把握でき、論理的に考える癖がつく。

『構造ノート』を利用する
『構造議論チャート』を利用する

対策2 「思考力の向上」

 第二の対策とは、考える力の向上です。「あなたがもしも日本をデザインするとすれば、どのような日本をデザインしますか」と問われたら、あなたはどのように答えるでしょうか。これと似た問題がかつて慶應大学総合政策学部で出題されたことがあります。上記の問いを考えた価値観を述べ、具体的に自分が何をするのかまで述べる問題です。
 この問題は、日本を良い方向に導く考えを書きなさいとは言っていません。外交問題、経済問題、国際政治の軋轢、倫理的問題、山積する社会問題などをトータルで考えることを要求しています。経済の本を読んでも、政治の本を読んでも答えは書いていません。政治論だけを問うているわけではありません。
 常日頃から問題意識を持ち、自分の頭で考えることが大切です。その上で、考える技術を向上させることが慶應大学の小論文対策として有効です。
 思考力は主に以下の様なスキルによって支えられています。

  1. ロジカルシンキング
  2. ゼロベース思考
  3. クリティカル・シンキング
  4. クリエイティブ思考
  5. 問題発見思考(スキル)
  6. 問題解決思考(スキル)

~事実と解釈を見分ける眼を養う~

2014年度の総合政策学部、2010年度の法学部でも、事実と解釈を見分ける問題が出題されています。論理的に思考するためには、事実と解釈を切り離し、論理に飛躍がない形で物事を認識する力が必要です。
 例えば、今インターネットの世界では、いわゆる『ネガティブキャンペーン』が横行しています。「悪徳だ」「詐欺だ」などと述べ、企業の信頼を貶めることを通して、間接的に自社の売り上げに転化しようとする営業妨害です。言うまでもなく、これらは事実ではなく解釈です。通常の一般的な営業行為を指して悪徳などと表現するのが特徴です。詐欺などという非常識な表現は特にその典型です。なんら該当する事実が無いのに指摘すること自体が極めて悪質といえるでしょう。

対策3 「論述力の向上」

 第三の対策は論述力です。実際に答案を書く練習が大切です。自分は何をできて、何をできないのかを明らかにしなければなりません。

約10日で慶應大学法学部(FIT入試)に合格した小論文対策

 以下に約10日で慶應大学法学部FIT入試に合格した小論文の対策をご紹介します。

  1. 『小論文技術習得講義』(エール出版社)牛山 恭範(著)
  2. 『慶應小論文合格BIBLE』(エール出版社)牛山 恭範(著)
  3. 『小論文の教科書』(エール出版社)牛山 恭範(著)

 これらの本を読んだ後、重要な部分に線を引きます。その後、線を引いた部分だけを繰り返し3度ほど読みましょう。線を引いた部分だけならば、一冊あたり10分程度で読むことができます。
 次に、本で学んだ内容をノートにまとめてみましょう。理解が深まることで適応力が上がります。その後、このノートを何度も見直します。
 ここでご紹介した対策により、約10日ほどで、クライアントが慶應大学法学部に合格しました。実際には彼の場合、講座受講や、小論文の添削を通じて、サポートを受けましたが、添削を利用しない場合はこれだけでも、有効な対策となるでしょう。

まとめ

 最後に本日のまとめを掲載します。

  1. 論文指導理論が氾濫している。
  2. 一般論としての小論文対策が通用しにくい。
  3. 書き方についての受験テクニックはずれた答案になりがち。
  4. 問題解決型の構文は機能しにくい。
  5. 小論文指導は混乱しているため、やみくもに添削を受けても点数が上がりにくい。
  6. 読書力、学習力を鍛えることで分析力が上がる。
  7. 各種思考スキルを高めることで、思考力が上がる。
  8. ネットはネガキャンが多い。
  9. 「小論文技術習得講義」「慶應小論文合格BIBLE」「小論文の教科書」の3冊を読む。
  10.  3冊を繰り返し読み、ノートにまとめることで理解が深まる。

プロフィール

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牛山 恭範(うしやま・やすのり)

  • 慶應義塾大学合格請負人
  • スキルアップコンサルタント
  • 専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
  • 株式会社ディジシステム 代表取締役
  • ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者
  • 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者

慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。

技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。

自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。
より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。

ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。

著書

「慶應大学絶対合格法」

「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」

「小論文技術習得講義」

「小論文の教科書」

「自動記憶勉強法」

「~なぜ人は情報を集めて失敗するのか?~目標達成論」

「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)

「慶應小論文合格バイブル」

「難関私大対策の急所」(以上共にエール出版社)

「機械的記憶法」(日本実業出版社)

「クラウド知的仕事術」(日本能率協会マネジメントセンター)

「速読暗記勉強法」(日本実業出版社)

第1回 「従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる」はこちら

第2回 「慶應大学合格に必要な要素と中核」はこちら

第3回 「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」はこちら

第4回 「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)」はこちら

第6回 信頼関係と素直な心で慶應受験に強くなるはこちら

スピンオフ第1回 「今からでも時間がなくても国立大学、慶應大学に我が子を合格させる方法」はこちら

スピンオフ第2回 「逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<前編>」はこちら

スピンオフ第2回 「逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<後編>」はこちら

スピンオフ 「我が子を慶應大学に合格させる英語教育法」はこちら

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