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第3回 慶應大学合格に有効な受験対策(前編)
「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

第3回
慶應大学合格に有効な受験対策(前編)

はじめに

 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』塾長の牛山です。本日は、「慶應大学にわが子を確実に合格させる合格法」シリーズの第3回として、「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」についてお話を致します。

慶應大学に有効な受験対策とは?

1. 『慶應大学絶対合格法』より一部引用

 次の文章は拙著『慶應大学絶対合格法』(改定新版)の一部です。ぜひお子様の受験のために少しだけ読んでみてください。


~ここから~


ところで・・・
突然だが、次の問題で1か2かを3秒以内に選んで欲しい。

リンダは31歳の独身女性。非常に知的で、はっきりものを言う。

大学時代は哲学を専攻しており、学生の頃は社会主義と差別問題に関する活動に深く関わり、核兵器反対のデモにも参加したことがある。

さて、リンダの今を推測する場合、可能性が高いのは次の1と2のどちらか。

  1. 彼女は銀行員である
  2. 彼女は銀行員で、女性運動で活動している


あなたの答えは・・・?

 『常識・普通』を疑う力を!
(クリティカルシンキング・ゼロベース思考)

この問題では、多くの人が2を選ぶことがわかっている。1を選んだあなたはエライ。心理学の領域で有名なリンダ問題と呼ばれる心理テストである。答えを言おう。答えは1である。その理由は、数学を思い出して欲しいのだが、2は1の部分集合だからだ。したがって確率は必然的に数学的に必ず1の方が高くなる。このような人の誤判断を「代表性ヒューリスティック」と言う。「代表性ヒューリスティック」とは代表的な性質を過大に評価し、一般的傾向を感じられる推測をしてしまうことである。ところが、一方で次のような言説がある。「このような勉強法は合格者の誰もがやっていないのだから、やる必要がない。」これは非論理的思考の典型である。もちろん間違いだ。このような思考回路の裏側にあるものは、(このような勉強法は誰もやっていないので、効果が薄い)という考えだ。これこそが代表性ヒューリスティックである。多くの合格者がやっている勉強法が良い勉強法だと思い込んでいるがそのような証拠は実は無い。合格しているということ(現象)を過大に評価するからこそ、合格数、合格率に目が奪われる。合格数は生徒数が多ければ増える。合格率は前提条件によって変わる。


~ここまで~


 いかがだったでしょうか。もし、あなたが仮に2を選んでいたとしても、あまり気にしないでください。多くの人が2を選んでしまうことが分かっています。

2. (合格者はこうしているのだからそうするのがいい)という考えは相関と因果の混同

 私がここでこのような心理テストをご紹介した理由は、多くの人が先入観で損をしてしまっているからです。『今の時代に慶應大学に合格しているほとんどの人が選択している方法が、正しいだろう』という考えは大変根強いものです。これは東大受験でも、京大受験でも同様に当てはまります。
 ところがその考えがここでご紹介した代表性ヒューリスティックです。別の言い方をすれば、「相関関係は因果を内包しない」ということになります。仮に合格者の多くが選択している方法があっても、そのやり方は、効果的なレベルが高いから選択されているとは限らないということです。
 私がこのようなことを受験業界で初めて指摘した時には、過剰に反応する人も現れました。「そんなことがあるはずがない!なぜならば、従来のやり方はたくさんの合格者が出ているからだ」という言説もあります。ところが試験というものは、母集団の受験生が良いやり方をしようとしも悪いやり方をしようとも、上から順番に合格していくだけです。ゆえに、この言説の論理は破綻しています。

画像:「非論理的な考えと、多面的な考え」

画像:「非論理的な考えと、多面的な考え」

 試験合格は、やり方がよい順番に決まっているのではなく、テストで点数が良かった順番で決まっています。「合格者が出ているので、このやり方が良い。」というのは、点数が決まる因子を頭の中で整理できていない場合の考えです。慶應大学の小論文問題では、ここでご紹介した類の論理思考がよく試されるので、このような話には強くなっておく必要があります。また近年は、極端な「拡大解釈」や「縮小解釈」による言説がネット上に氾濫するので、この点にも注意が必要です。例)「一般的な対策がダメだと否定している」など。

3. 普通ではないことをして、普通ではない結果に

 弊社の塾では、「普通ではないこと」も積極的に取り入れています。従来の一般的な学習方法の真逆を行く学習方法を指導することも時にはあります。
 そのため、(一般的な対策こそが、素晴らしい成果をきっと生むに違いない)という堅い信念を持っている人は、迷いが生まれることも多いようです。しかし、逆から考えれば、今まで多くの合格者が出たいわゆる「一般的な対策」は、多くの不合格者も出しているとも表現できます。例えば、「小論文の勉強のために、社説を読め」「小論文は知識を入れ込めば合格できる」などはその典型かもしれません。慶應大学の倍率は、約5倍~8倍程度ですので、全体の8~9割の受験生は不合格になっています。多くの合格者が選択していたいわゆる「一般的な対策」によって、不合格になった人もたくさんいたということです。

画像:「慶應大学の一般入試における倍率と入試対策」

画像:「慶應大学の一般入試における倍率と入試対策」

 ところがスポットを当てられるのは、多くのケースで合格者の方なので、不合格者が行っていた受験対策は注目されることが少なくありません。このような考え方は統計学の目線から言えば、正確性に欠ける見方と表現できるでしょう。
 私が主催する塾では、このようなバイアスを排し、一般的ではない対策も積極的に取り入れてきました。だからこそ、「普通ではない結果」「普通では考えられない短期間での成長事例」が多く出ているのかもしれません。例えば以下の様なユニークな取り組みをしています。

  • 一般科目の授業はやらない。
    ⇒受験で求められる理解以上の理解を作っても点は伸びないので、記憶に時間を割いてもらいます。自分で本を読めば分かることを、ゆっくり説明されれば、受験生の勉強スピードは3分の1以下になることも珍しくありません。(ただし、小論文の授業は、点数の引き上げに効果的であるため厚めに行います。)
  • 小論文の授業では、「思考方法」を詳しく解説。
    ⇒一般的な小論文の授業では、「環境問題」や「時事問題」の解説が行われます。ところが私が行う小論文の授業では、時事問題の一般論だけではなく、東大卒の社会人も弊社で学んでいる講座を受講していただいています。いわゆるMBAホルダーレベルの「思考技術」を習得してもらっています。考える力を強化するという、普通ではない対策を行います。
  • 「読解」を教えるのではなく、「読解方法」を教える。
    ⇒一般的な英語の授業では英文やテキストの説明をしますが入試に同じ文は出ません。ゆえに読解法を指導します。読解スキルが向上すれば何が出ても対応しやすくなります。
  • 解答力を鍛える。
    ⇒一般的な授業では解答の導き方を教えますが、「評価される解答の作り方」を指導します。
  • モチベーションをコントロールするスキルを養成する。
    ⇒心理学の手法と問題解決学の手法を駆使して、「自律的な生活能力」を養成します。一般的には半強制的に勉強をさせる環境を与えます。これに対して当塾では、自ら進んで行動し、自ら進んで学習する力を強化するための授業を行います。
  • 小論文指導の「一般論」ではなく、「最先端・最高レベル」の手法を授業します。
    ⇒「論文はこのように書けば良い」という類の一般論では、多くの生徒が小論文を書くことができるようになりません。そこで高度で先進的な思考法をレクチャーします。
  • 速読を指導する。
    ⇒慶應大学では異常に長い文章が出題されますので、速読能力を強化します。歴代アメリカ大統領が必ず指導を受けると言われる速読のスキルを強化します。
  • MBA流(マッキンゼー流)の思考法を指導する。
    ⇒「なるべく論理的に考えよう」というレベルを超えて、論理の限界に迫ります。大人のビジネスパーソン顔負けの論理思考を生徒さんに身に着けてもらいます。
  • 各種記憶方法の授業を行う。
    ⇒「この方法で1番になった」(サンプル数1)「合格数が多い」(統計的に意味付けしにくい)という記憶方法ではなく、雑多な記憶理論を統合し、問題解決学の視点から構築した「記憶についての問題解決」を確立し、これを指導します。
  • 移動中の細切れ時間を有効活用して合格力を高めてもらう。
    ⇒移動時間に今の時代は学ぶことができます。それにも関わらず、ひどい場合には、移動時間で一日に1~2時間を無為に過ごすことが一般的です。大変もったいないので、この時間を活用して、倍速再生の授業を聞いてもらっています。
  • 論理的に思考するためのクラウドソフトを開発し、提供する。
    ⇒小論文の勉強をする際に、より一層論理的に考えることができる仕組みを用意しています。
  • 無駄な授業をカット
    ⇒授業を受ける前にレジュメをダウンロードし、必要な部分を把握してもらい部分的に受講してもらいます。

これらの取り組みを通して、以下のような実績もあります。

  • 約1万人中全国10位、総合政策学部合格。
  • 模試で全国6位。
  • 北海道大学法科大学院に第二位で合格、授業料免除で進学。
  • トリプルE判定からの総合政策学部への逆転合格。
  • E判定からの環境情報学部へ逆転合格。
  • 進学校ではない高校から慶應法学部に進学。
  • 英語で二度、全国模試において日本一。
  • 慶應法学部に約40分を余らせて試験終了、合格。
  • 慶應SFCダブル合格。
  • 慶應大学4学部合格。(法、経、総、環)
  • 英語で法学部9割取得。法学部。総合政策。文学部合格。

常識を疑う重要性

1. 最初にお話しなかった理由

 この「常識を疑う重要性」については、今回の第3回の隠れたテーマでした。しかしながら、あえて伏せてここまでお話をさせていただきました。いわゆる「ネタばれ」という形になり、まっさらな状態で最初の心理テストを受けていただくことができなくなってしまうためです。楽しく有意義にお読みいただくためにも、あえてそうさせていただいていました。

2. 普通とは「認識論」であり相対性を持つ

 ここまでお話をした理由は、普通という感覚に安心を覚える人が多いからです。普通という感覚は、大切な感覚でもありますが、大変危険な感覚でもあります。普通という感覚は、物事を見る時に大きな先入観となるからです。
 例えば、かつて戦争時代には、人を殺めることすら普通でした。戦争で勝った兵士は「官軍」と呼ばれ、負けた兵士は「賊軍」と呼ばれます。日本以外の国家においても、中央の悪徳官吏が悪政を行い、虐げられた民衆が地方で蜂起すれば「賊軍」と呼ばれました。
 また身分制度が濃い時代には、上士と呼ばれる身分の高い侍が通れば、下士と呼ばれる身分が低い侍は道を開け、場合によってはひざをつき、頭を伏せるが普通でした。このような今の時代からは考えられない感覚であったとしても、当時の大多数が占める考えはいわゆる「普通」として扱われます。女性の社会進出や人権獲得が行われていない時代においては、女性は選挙権を持たないのも普通でした。「女だから」というだけの理由で、どんなに能力が高い女性であっても、低く見られる時代があったのです。このような馬鹿げたことは、言うまでもなく、今は普通ではありません。
 言い換えれば、普通とは、「認識論」です。絶対性を持つ、正しいものとは限らず、その時代、その地域に限定された、「相対的な人の認識」に過ぎません。人は多くの場合自分が持っている感覚に多かれ少なかれ自信を持っています。そのため、普通という感覚を大切にする人は判断を誤りやすくなります。
 かつてライト兄弟が空を飛ぶ飛行機を作ると言えば、奇人と言われ、電話を最初に発明した人は、「頭が狂っている」と言われたのと同じです。かつて普通ではないことは、今の時代は普通になります。その時代の普通は、必ずしも正しいことではなく、「大多数の人が持つ認識」です。

3. 「普通」と呼ばれる受験対策も相対的なもの

 そもそも、東京大学に多くの学生を合格させる「名門校の普通」は、「非名門校の普通」とは違います。受験情報が少ない地方の受験生はあまりこのことを知らないようです。最も大きな違いとして昔から言及されてきたのは、中高一貫のカリキュラムにより、早い段階で高校3年生までの全課程を進学校の生徒は終了してしまうという点です。この学習カリキュラムがあることで、1年間早く受験対策を行い、中高一貫校の学生は最後の一年間は復習に専念できます。受験は記憶量でほぼ決まりますので、このような受験対策は大変受験には強いと言えるでしょう。理由は大きく二つあります。一つ目の理由は、復習は覚えこみの段階よりも通常、約3倍程度のスピードで学習が可能だからです。1時間かけて覚えこんだものは、20分あれば記憶をブラッシュアップできます。二つ目の理由は年間の記憶時間が圧倒的に多くなるからです。年間約3000時間の記憶時間を持つ受験生と、年間約900時間の記憶時間を持つ受験生では、記憶競争ゲームでは比較になりません。しかし、お子様が不利な条件で戦っていたとしても、(年間900時間の記憶時間で受験していたとしても)受験に不合格になれば「頭が悪い」などと同級生から言われてしまうこともあるようです。失礼にあたる可能性があることを承知の上で言及した理由は、このように受験の競争要因が深く考慮されることなく、偏差値だけで頭の良さが一般化される風潮があることが我が国の普通だからです。どのような子でも可能性があります。
 「一般的に普通と言われる受験対策」とは、塾や予備校をふんだんに使った受験対策であり、これは理解作業を最後まで遅らせるという受験対策です。ただ単に、大多数が選択しているというだけで、その大多数が選択している方法がより安全だと思われてしまっています。名門校の対策とは真逆の戦略軸を選択していても、それが普通だと認識されれば(認識論です。)その普通であることに対して多くの人は安心してしまいます。そして普通であることに疑いを持たないと、有名進学校と真逆の対策を行っていたとしても、安心して疑問を持たないために、判断を誤ることがあります。(そろそろ受験だから塾を利用しようか)と考えるのではなく、早めに塾の利用を考える方が懸命かもしれません。

4. 国立対策と私立対策が同時に語られることで混乱する人も多い

 東大出身者は頭が良い人が多いです。本も多数出版されるので、東大出身者の勉強法が世間では一般化されやすくなります。慶應大学志望者は気を付ける必要があります。英語も地歴も、小論文も慶應に特有の事情がたくさんあります。

5. 文系対策と理系対策が同時に語られることで混乱する人も多い

 理系の出身者は頭がいい人が多いです。勉強本も多数これらの人が書きます。したがって理系出身者の勉強法が広まります。慶應大学文系志望者は気を付ける必要があります。勉強法とひとくくりにして一般化しても、ここまでにお話したようにかなりの程度慶應文系と国立理系では違いがあります。

一般論と一般的対策に終始しない

1. 実態から考察する

 普通の対策や評判の良い対策、人気のある対策が必ずしも良いものではないのであれば、いったいどのように対策を行っていくことが有効な対策となるのでしょうか。私がお勧めするのは、「事実(実態)」「理論」「原理」「因子」から考察するという思考方法です。ここはやや、面白くないお話になるかもしれませんが、お子様のためだと思い、少しだけ我慢してお読みいただければ幸いです。

2. いい加減な考察をしないコツとは?

 マッキンゼーとは、世界屈指のコンサルティングファームです。上場企業などの経営分析、戦略立案を請け負うのが彼らの仕事です。彼らが大企業の頭脳として活動する際、どのように思考するのでしょうか。私はこのマッキンゼーのOBが思考方法を指導するビジネス・ブレークスルー大学大学院で学びました。世界のグルと言われた大前研一氏に師事を受け、思考方法を直に学び、思考力を鍛えました。大前氏は、リアルタイムオンラインケーススタディーと呼ばれる「今の時代に起こっている現在進行形の問題をケースとして扱い、経営分析、戦略立案を行う授業」を中心として学生を指導していました。ハーバード大学等が、数十年前の事例をケースとして扱う指導するスタイルでは、現代の環境の思考力強化に適応しにくいとの判断からです。彼は日本及びアメリカのマッキンゼー社長を歴任し、現在はこの大学院の学長を務めています。
 私がビジネススクールで学んだ際に特に強調されたことは、FACTベースで思考することです。多くの人は、事実よりも、本日のお話のように、相関関係や成功した人の共通点、世間の一般常識から判断を加えていきます。しかし、本日のお話で様々な角度から検討したように、このような判断は間違うことも多いのが恐いところです。そこで、事実から、論理的に情報を解釈し、勘や憶測だけに頼らない思考方法を行うのが大手コンサルティングファームの特徴です。(FACTベース)

3. なぜ受験対策は「事実」から考えるべきなのか

 まず学習において重要なことは、共通点や相関だけではなく、学術的に検証された内容です。例えば一般的には、英語の学習と言えば「読む」、「書く」などのアプローチが良いとされていますが、学習の波及効果等の観点から言えば、「聞く」学習の方が、約3倍効果が高いなどの研究結果があります。このような研究結果を多面的に見ていき、最終的に英作文があろうとも、聞く方法をメインに据えるなどの冷静な判断は必要です。もちろん、短絡的に聞けばいいと考えさえすればいいわけではありませんが、重要な判断基準の一つです。
 また、慶應大学の入試体制を事実ベースで見れば、小論文の配点比率は約30~50%であり大部分を占めます。これは私の勘や単なる思い込みではなく、「事実」です。また、大学が公表している受験生の平均点は約50%程度です。多くの受験生は、低い点数を取っていることが伺えます。平均点が50点程度であるというのも、私の個人的考えではなく、「事実」です。まだまだ小論文が重要である事実はたくさんあります。軽視している受験生が多いことや、対策理論が氾濫していること、直前の時期から多くの受験生が対策を行ってしまうことなどもあるでしょう。これらすべてを百歩譲って無視したとしても、上記二つの事実からだけ考えても、小論文は慶應受験において重要であると言えるでしょう。

  1. 慶應大学文系においては配点比率の約30%~50%である。
  2. 平均点は約50%である。
     ⇒上記2点から小論文対策が重要であると考えられる。

 これだけ重要度が高いことをわずかこの程度述べただけであっても、私が慶應受験において小論文が重要であると強調しすぎていると感じる人もいるようです。このような過剰かつ感情的反応は、冷静に事実を見て客観的に分析するという状況分析の定石を外れていることから多くの場合生まれています。
 人は感情的になっている時、自分自身を顧みることができず、極論を述べることが多くなります。自分の書いた小論文の点数に納得がいかない子は、他の有名な先生の解答例を読んでも、(大した内容ではない)と感じていることが多いようです。そして自分がその後不合格になっても、自分の感覚が間違っていたことに気付けないことが多々あります。事実から考察せず、自分の「思い込み」から考察を加えるクセがついていると、このように自分のことも棚に上げて、バイアスが大きくかかった世界の中で色眼鏡を通して世界を見るようになりがちです。だからこそ事実から正確に論理的に考えることが大切になります。

4. なぜ「原理」を考えると受験や教育がうまくいくのか

 世の中には様々な法則性が存在します。法則性には、絶対的なものから、原理的な作用にとどまるものまでさまざまです。原理をイメージしやすいもので言えば、「テコの原理」が挙げられます。くぎ抜きや栓抜きは、力学的な原理が作用することで、わずかな力で大きな力を得ることができる仕組み、メカニズムです。
 原理とは、このように仕組みやメカニズムであるため、脳科学で分かっている範囲でも、記憶の原理原則があります。また、科学では実証しきれない原理的作用を及ぼす原理も存在します。例えば試験に合格する原理原則について、ある弁護士は、「受験勉強とは、合格の蓋然性を高める作業である。」と説き、別の東大卒の弁護士は「受験勉強とは、大学側(試験を作る側)が求める力量との間にあるギャップを埋める作業である。」と説きます。
 これらの原理原則は、とらえどころの無い複雑な世界において、私たちが求める結果を演繹的に推測し、シミュレーションすることを可能にします。仮に百歩譲って実証性に乏しいことがあっても、これらの原理を軽視すると、推論の際の足場を失い、空を切るような推論を展開するようになりがちです。

5. なぜお子様の受験対策に「理論」が大切なのか

 例外はあるものの、何らかの法則性が見出される場合、それが理論として確立されることがあります。例えば各種モチベーションの理論はその典型です。行動を起こすことによってモチベーションが上がるという原理原則は、作業興奮などと呼ばれ、ある程度実証されていますが、これらの法則から、従って行動を起こせばやる気は起こると言ってしまえば、論理の飛躍が生まれます。モチベーションの理論の中には『フロー理論』や、『ハーズバーグの二要因理論』などもあります。心理的に満足する心理的欲求が満たされることでモチベーションが向上する理論や、特定の自分が好きなことに没頭することで楽しさや満足感を感じつつも理想的なモチベーションが持続する理論などが提唱されています。このように複数の理論を足掛かりとすることで、心理的メカニズムを理解する手助けとすることができます。

6. なぜ「因子」を考慮しなければ失敗するのか

 因子とは、本日ご紹介した図のようなものです。右側を見てください。

画像:「非論理的な考えと、多面的な考え」

画像:「非論理的な考えと、多面的な考え」


 因子分析をすることで、短絡的な推測を防ぎやすくなります。英語の試験で点数を取ることができなかった際に、(そうだ!英単語を覚えていないからだ)と思う人もいれば、(そうだ!文法の理解が甘いのだ)と考える人もいれば、(そうだ!文章の品詞分解で理解する理解度が足りないのだ)と思う人もいます。このように単に思うだけの勉強をしていると、何が本質的な問題であり、今点数を取ることができないという問題が発生しているのかについて、勘や推測で対策を行ってしまいます。因子を冷静に見極めていくことで、いくつもの因子によって今の問題が起こっていることや、その中でも主因となっているものを冷静に見極めやすくなります。私の経験で言えば、多くの受験生は、(語彙力の不足で点数を取ることができない)と思い込んでいるか、(理解できないので、理解するための授業を聞くことが大切だ。)と考えてしまいがちです。このような場合、なぜ理解できないのかについては、深く考えられていないことも珍しくありません。その受験生よりも記憶量が少ない帰国子女の方がスラスラ英文を読み、高得点をたたき出すことはよくあります。理解度を引き上げる為の戦略的な読み方をせず、いきあたりばったりで読むことでも理解度は下がります。

7. なぜ「問題解決学」が大切なのか

 問題解決学とは、このように複雑な世界にあって、最終的に目の前にある問題(受験の場合は合格)をどのように解決するかという総合的な問題解決の手法を対象とした学問です。

 問題解決には原理原則があり、原理的に作用する有効なアプローチも存在します。例えば、以下のようなものです。

  1. 本質的な問題点を定義し、その裏返しの対策案を実行する。
  2. 大きなアップサイドが見込める領域の対策を実行する。

 私はこれらの問題解決学の手法を用いて、学習指導を行います。全国的に稀有な事例が続出しているのは、ここが理由かもしれません。多くの人が、有名人や、特定の「頭の良い人の勉強法」を模倣しようとしているのとは反対に、私は問題解決学的手法により、問題解決の方向性案を立案しています。例えば、慶應大学文系受験の複数学部受験もそのうちの一つです。

8. 総合的に考えれば、お子様の受験はうまくいきやすい

 私が行う学習サポートは、一般論や一般的対策ではありません。以下のようなことをすべての分野で行っています。

  1. 事実から出発し、FACTベースで実態を把握する。
  2. 原理原則を無視せず、演繹的に思考することで実態からの乖離を防ぐ。
  3. 多面的に理論を思考することでリスクを減らし、実態とかみ合うものとする。
  4. 因子を多面的に分析し、本質的な問題点を定義する。
  5. 問題解決学の手法により、原理的に効果が出る戦略軸を立案する。
  6. 上記の1~5を、型にはまらず考察することを通して、その分野の問題を解決する哲学を打ち立てる。

画像:「対策案の立案アプローチ」

画像:「対策案の立案アプローチ」


 慶應大学対策、慶應大学SFC対策、慶應大学小論文対策、勉強の対策、記憶の対策、思考力の対策、速読力養成の対策、得点力養成の対策、小論文の書き方、などすべて例外はほぼありません。

 ここまでに述べたステップは、問題解決学の領域でもあまり一般的には述べられないことです。従って、「学問よりの問題解決」でもなく、「実務よりの問題解決」でもなく、私が実行している問題解決と言えるかもしれません。このように、一言で「問題解決」と言っても、そこには哲学や思想が存在し、その哲学や思想によって、問題解決能力にも大きな違いが出てきます。ある人は、有名なフレームワークと呼ばれる思考の枠組みを用いて、「これこそが問題解決である。」と述べ、そうではないと述べる人もいます。
 私のクライアントには、東大出身者も多数います。なぜ東大出身者が学習の領域で私のクライアントになってくれるのでしょうか。上記の仕事を私が彼らの代わりにやっているからです。日本で初めての記憶専門の塾や、速読情報活用に特化した塾、(特定の領域における)人の思考力を高める研究や、高速学習を可能とする構造型インターネットクラウドソフトの開発、モチベーション強化の塾などに私は取り組んできました。私は単に、問題解決を考察することが得意なだけの人間です。東大卒のエリートの方が私に仕事を依頼されるのは、彼らが何千冊という書物を読み、問題解決学のアプローチで問題解決策を考える手間を私が省くからです。
(一般的な対策をすればよい)とぜひ考えないでください。慶應大学受験に関して、もっと成果が上がりやすい方向性がきっとあるでしょう。

まとめ

 最後に本日のまとめを掲載します。

  1. 「合格者が採用していた方法」がいいとは限らない。
  2. 受験は点数が高い人から合格しているのであり、方法がいい人からではない。
  3. 受験の点数を決める因子は多数あり、より多くを考慮することが大切。
  4. 常識を疑うことが大切。
  5. 普通という感覚は、その時代、その地域ごとの大多数が有している相対的な感覚。
  6. 普通の対策よりも、より一層効果的な対策が存在しうる可能性は常にある。
  7. 一般論的な対策に終始しないためのコツは総合的に考えること。
  8. 原理、因子、理論、事実などを総合的に考察し、問題解決学的手法で、効果的な対策案を立案することも検討していきたい。

プロフィール

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牛山 恭範(うしやま・やすのり)

  • 慶應義塾大学合格請負人
  • スキルアップコンサルタント
  • 専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
  • 株式会社ディジシステム 代表取締役
  • ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者
  • 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者

慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。

技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。

自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。
より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。

ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。

著書

「慶應大学絶対合格法」

「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」

「小論文技術習得講義」

「小論文の教科書」

「自動記憶勉強法」

「~なぜ人は情報を集めて失敗するのか?~目標達成論」

「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)

「慶應小論文合格バイブル」

「難関私大対策の急所」(以上共にエール出版社)

「機械的記憶法」(日本実業出版社)

「クラウド知的仕事術」(日本能率協会マネジメントセンター)

「速読暗記勉強法」(日本実業出版社)

第1回 「従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる」はこちら

第2回 「慶應大学合格に必要な要素と中核」はこちら

第4回 「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)
    ~「受け身の学習」から「攻めの学習」に変化させる~」はこちら

第5回 「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」はこちら

第6回 信頼関係と素直な心で慶應受験に強くなるはこちら

スピンオフ第1回 「今からでも時間がなくても国立大学、慶應大学に我が子を合格させる方法」はこちら

スピンオフ第2回 「逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<前編>」はこちら

スピンオフ第2回 「逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<後編>」はこちら

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