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第1回 従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる
「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

「慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法」

第1回
従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる

「慶應クラス」という慶應義塾大学進学専門塾を主催している塾長の牛山です。
本日は、『慶應大学に確実に我が子を合格させる教育法』と題しまして、慶應大学に合格するための秘訣をご紹介していきます。

慶應義塾大学の特徴

 慶應大学(文系)の特徴は、小論文と英語の配点が異常に高いことです。英語の配点は約50%であり、小論文の配点は学部による違いはあれ、約30~50%程度あります。経済学部のみ、小論文の配点は、70点と低いため、例外なのではないかという意見もあるかもしれません。しかしながら、経済学部は自由英作文の配点が極めて大きいため、実質的に思考力を試される配点は他の大学に比して大変高いものになっています。論理的に意見を提示する力が試されます。

 従って慶應大学の文系は、英語の力と考える力を極めて重視しており、全体の配点の中の7割~10割を占める形となっています。ここが他の大学との大きな違いです。

 「考える力」は数学でも推し量ることができるのではないかと考える方もいらっしゃると思います。考える力をより具体的に言えば、論理的思考力・推論能力と言えるかもしれません。私自身、この思考力や推論能力の研究を大学院で行っていました。その結果分かったことは、理数系の力と、この論理的思考力や推論能力は必ずしも比例せず、別物であるということです。慶應大学の文系では、このように小論文という科目を中心に、経済界や政界、法曹界で活躍する素地として、考える力を重視しています。

 端的に言えば、慶應大学の文系は英語の力が突出しており、小論文の力が突出していればかなり合格しやすいということです。一方で、「歴史マニアは慶應に落ちる」とはよく言われることですが、歴史が誰よりも得意で、英語が苦手な場合、配点比率上慶應大学には極めて合格しにくいと言えます。

 従って「慶應大学に我が子を合格させる教育アプローチ」の内、重要度が高いものは、語学力と小論文であり、この2つの力を小さな頃から鍛えておくことで、合格しやすくなると言えます。仮にやや歴史が苦手であったとしても、英語と小論文で合格点を取ることができるのであれば、残りの半年~1年を集中的に歴史の勉強に費やせば、合格出来る力を養成できます。

牛山提唱の合格戦略

確実に慶應大学合格を実現するには、「方法」だけではなく、「戦略」も大切です。その戦略とは、私が拙著『慶應大学絶対合格法』でもご紹介した、「6学部を受験するという受験戦略」です。

画像:『慶應大学絶対合格法』牛山 恭範著

画像:『慶應大学絶対合格法』牛山 恭範著

慶應大学の文学部、経済学部、法学部、商学部、総合政策学部、環境情報学部を受験します。ただし、6個受験しなくてはならないわけではありません。興味がある分野を3分野ほど選ぶだけでも、結構です。

さらに確率を引き上げたい場合は、他の学部を受験することで、合格率が引き上がっていきます。
 この受験アプローチを活用する場合は、文系を受験する場合、「英語」「歴史」「小論文」という科目を選択して受験する必要があります。その他の科目の場合、このように6学部を受験することはできません。

確率計算を根拠とする

今回ご紹介させていただく『慶應大学に確実に我が子を合格させる教育法』は、数学の確率計算を大きな根拠の一つとしています。もちろん、私は慶應大学進学専門の塾を運営していますので、他の合格しやすくなる理由もたくさん知っているのですが、今回ご紹介した戦略軸について、最初に数学的根拠をご紹介します。

以下は私が拙著『難関私大対策の急所』(エール出版社)に記載した文章の一部です。

ただし、以下の内容は厳密なものではなく、厳密には、確率的には独立的な試行とはなりません。(あまりここは深入りせずとも大丈夫です。)この確率計算のご説明は面白くないと思いますので、ご興味が無い方は、どうぞ読み飛ばして先へお進みください。

~引用開始~

 たくさん受験しても無駄なのは、力がない時です。実力を十分につけた場合は、併願すればするほど、不合格になりにくくなります。これは確率計算をすれば簡単に計測できます。

【興味が無い人はここは読み飛ばしましょう】

例)合格55%の人が3つの大学すべてに合格率55%であった場合、すべてに不合格になる確率は0.45×0.45×0.45=0.091 したがって9.1%です。どれかに合格する確率は、すべてに不合格になる確率を全体から引いた確率です。合格率55%で3つの大学のどれかに合格する確率は、0.909となり、9割がた合格することになります。

併願による合格率を計算する時には、すべての施策(ここでは受験)が成立(合格)しない確率を計算することになります。受験校すべてに不合格になる確率を全体から引けば、どこかに合格する確率を算出することができます。

原則としてある程度の力があるのであれば、このように受験すればするほど、合格する確率は高まっていきます。定性的に(勘や憶測で)、たくさん受験しても無駄と考える前に、
数学的に絶対的な真実としての確率を計算してみましょう。
 もちろん、力をつけずにやみくもに受験しても良い結果は得られません。

~引用終了~

どうしても国立大学を受験したい方は月に3時間を確保する

 どうしても国立大学を受験したいという人もいらっしゃると思います。慶應大学は、東京大学を選択せず、慶應進学、京都大学の医学部を中退して、慶應大学へ再入学など、私立特有の特色から国立以上に選択されるケースもある大学ですが、国立を第一志望にしている場合も多いと思います。その場合、慶應大学の文系を受験する方は、数学選択をするのが一般的です。このような場合、小論文の勉強まで手がまわらないという人も多いでしょう。

 その場合は、一ヶ月に3時間だけ小論文の勉強をすることが有効な対策になります。英語の勉強については、上位国立大学を受験するのであれば、今以上に大きな実力をつけるには、膨大な時間が必要になります。一方で、小論文の勉強はあまりやっていない人も多いため、伸び幅が大きいのが一般的です。そのため、早めに毎月3枚程度だけ小論文を書き、添削をしてもらうことが有効な対策になります。このための時間は月に3時間程度でも構いません。
わずか3時間程度でも、確保するのと、確保しないのとでは、かなり大きな違いが点数に現れます。

受験事情の背景をきちんと押さえることが合格の鍵

 慶應大学を受験する場合、一般的にあまり知られていない情報の中でも、特に重要なものは、小論文についての事情です。そこで、インターネットや書籍では一般的ににあまり語られない小論文試験についての受験事情(背景)を順番にご紹介いたします。

背景1:一斉授業では対応しきれない

小論文の勉強は、座学と個別指導の2つがセットになって初めて効果的なものとなります。大手予備校の一斉授業では、その後のサポートが雑になりがちです。私自身、最大手予備校の塾経営者から直接依頼を受け、ご子息をサポートしたことがあります。塾の経営者は塾経営の内情をよく知っており、一人ひとりサポートをすることが重要な小論文という科目のサポートを私に依頼されたのでしょう。その後そのご子息は、慶應大学に合格しました。一斉授業で小論文をすべて教えるのは、ピアノを授業で教えるようなもので、限界があります。自分が書く小論文や思考過程について、どこを改善できるのかについて、教えてもらう必要があります。座学の部分は授業をしっかりと受講することが大切です。

背景2:小論文のスキルを引き上げるには時間がかかる

 どうしても時間が無い場合は、一ヶ月に3時間程度の時間でも構いませんが、一般的には一定の期間を確保することが大切です。これはゴルフや空手、ピアノが、短期間で上達しないのと同じ理屈です。小論文は他の科目と違い、暗記科目ではありません。また暗記で対応できる幅は、数学や英語よりも大変狭いとお考えください。
 小論文指導の中には、「ネタを小論文に仕込むことで合格できる」と説く理論もありますが、少なくとも慶應大学を受験する場合、この考え方は大変危険です。知識は最初に課題文で与えられた上で、問われることが一般的です。この場合、見られるのは、構成力、内容力、発想力、表現力等が一般的であると言われています。
 私の経験から言いますと、一般的には1年前から準備しておくことが大切です。より合格率を上げたい場合は、2年前から、確実に合格するためには、3年前からコツコツと習字の勉強のように続けることが大切です。小論文の勉強は添削指導だけではなく、読書も有効ですので、同様に読書習慣を身につけておくことが望ましいでしょう。

背景3:小論文の理論が氾濫

 小論文はここまでにご紹介してきたように、考える側面が強い試験です。ところが考えることを訓練してきた人が日本では、あまり多くありません。特に慶應大学の小論文になると、論理的に物事を考え、クリエイティブに発想し、その内容をプレゼンテーションするところまで求められることがあります。一般的にビジネススクールで要求されるようなことを要求されることも珍しくはありません。そのため、一般的な賛成か反対かを述べる小論文では対応できないことが珍しくありません。
 「小論文では結論を先に書いてはならない」「序論・本論・結論とは、三つの論点のことだ」「論文の書き方は原因を先に述べて解決策を提示せよ」「反論を加えて再度反論するとよい」などの指導が近年氾濫しつつあります。これらの指導に根拠はありません。指導理論が氾濫した結果多くの「型にはめて書く小論文」が氾濫し、型の種類も氾濫してしまいました。
 このような混乱は「各学問分野における学術論文や論文の執筆作法」、「各種思考法の趣旨と意義の理解と感得」、「小論文試験制度の趣旨」を細かく把握することで防ぎやすくなります。
 このような氾濫した小論文情報を整理し、解説を加えた本が『慶應小論文合格バイブル』です。

画像:『慶應小論文合格BIBLE 改定新版』牛山 恭範著

画像:『慶應小論文合格BIBLE 改定新版』牛山 恭範著

背景4:考える度合いが大きい試験とは?
 考えると一言で言っても、多くの種類があります。「論理思考」「イノベーション思考」「フレームワーク思考」「問題発見思考」「問題解決思考」「クリティカルシンキング」「ゼロベース思考」などです。これらの思考アプローチについては、ある程度学問化しているものもあります。経営学の分野では、考えることこそが学問の対象となっているため、これらの思考アプローチそのものが洗練されてきた歴史があります。特にマッキンゼーなどの世界トップのコンサルティングファームの思考アプローチは、その最たるものと言えるでしょう。

背景5:考えることは極めて奥が深い

 一般的に慶應大学に不合格になりやすい人は、考えることそのものを軽視していることが珍しくありません。私自身、ビジネススクールでは、東大卒や京大卒、東大大学院卒、東大博士課程修了者、東大医学部卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)などと同じクラスでしたが、彼らですら、同じ情報を目の前にして皆違う結論にたどり着きます。小論文の入試対策は情報を頭に入れて吐き出せばよいと考えられているところもありますが、同じ情報を目の前にしても、皆が違う結論に辿り着くように、思考過程が磨かれなければ、いくら情報が頭に増えても適切に考える力は伸びていきません。従って、ある程度の期間、座学と個人レッスンで鍛えていくことが大変有効なアプローチとなります。小論文を学ぶとは、このように思考スキルを磨くということです。

従来的な教育では、慶應大学には今後益々合格しにくくなる

 従来の教育とは、学力重視の教育です。この学力を重視する教育では慶應大学に今後合格しにくくなる理由は大きく2つあります。

理由1:従来的な教育が対応しにくい

 ここまでに述べてきたように、学力を引き上げる教育だけでは、慶應大学にはやや対応しにくいのが実情です。近年この傾向は他の大学にもある程度見られるようになりつつあります。東京大学、京都大学も学力試験以外の方法で学生を選抜する入試を実施することを発表しました。慶應大学は日本でもAO入試を他の大学に先駆けて実施するなど、早くから学力偏重とならない選抜方式を導入した大学です。昔から慶應大学は小論文試験を重視することで、学力に傾きすぎた選抜方法を回避してきた歴史があります。

理由2:人気が高まりつつある

 慶應大学進学のエピソード本が大ヒットを今年記録するなど、慶應大学の人気が高まりつつあります。また、慶應大学の運営方針が一定の成果を収めたせいか、慶應大学のプレゼンスが過去50年間程の間に大きく向上してきており、進学希望者や母集団のレベルが上がりつつあります。さらに、受験情報がフラットに全国へ流れるようになったため、受験技術が向上し、ひとりひとりの学生の試験への適応力が向上しつつあります。その結果慶應大学法学部に至っては、東京大学合格者の約半数が不合格になるなど、大変厳しい受験事情が近年伺えます。

まとめ

 最後に本日のまとめを掲載します。

  1. 慶應大学は「英語」と「小論文」の配点が極めて高いため、ここに特に力を入れる。
  2. 慶應大学(文系)は考える力で学生を採用している。
  3. 「歴史」を選択すれば、6学部を受験する戦略軸を採用できる。
  4. 確率計算上合格率が大きく上がる。
  5. 下でも毎月3時間は小論文の勉強をする。
  6. 小論文の指導は集団授業+個別レッスンが大切。
  7. 早い時期から小論文の対策を行い、理想は3年前。最低でも1年前からが良い。
  8. 小論文の理論は氾濫しているため、『慶應小論文合格バイブル』がお薦め。
  9. 小論文は考える度合いが大きい。
  10.  考えるスキルを高めることと真摯に向き合う。
  11.  従来的な教育法では慶應大学には合格しにくくなりつつある。

プロフィール

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牛山 恭範(うしやま・やすのり)

  • 慶應義塾大学合格請負人
  • スキルアップコンサルタント
  • 専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
  • 株式会社ディジシステム 代表取締役
  • ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者
  • 慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者

慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。

技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。

自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。
より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。

ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。

著書

「慶應大学絶対合格法」

「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」

「小論文技術習得講義」

「小論文の教科書」

「自動記憶勉強法」

「~なぜ人は情報を集めて失敗するのか?~目標達成論」

「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)

「慶應小論文合格バイブル」

「難関私大対策の急所」(以上共にエール出版社)

「機械的記憶法」(日本実業出版社)

「クラウド知的仕事術」(日本能率協会マネジメントセンター)

「速読暗記勉強法」(日本実業出版社)

第2回 「慶應大学合格に必要な要素と中核」はこちら

第3回 「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」はこちら

第4回 「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)
    ~「受け身の学習」から「攻めの学習」に変化させる~」はこちら

第5回 「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」はこちら

第6回 信頼関係と素直な心で慶應受験に強くなるはこちら

スピンオフ第1回 「今からでも時間がなくても国立大学、慶應大学に我が子を合格させる方法」はこちら

スピンオフ第2回 「逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<前編>」はこちら

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